2019年の気象とその影響と今後の対策
- 2019年度の気象と作柄
今年は4月の開花期の低温、7月の日照不足と低温が大きく影響し、特にラビットアイで収穫量が少なくなりました。4月が高温で開花が早く果実生育が順調だった昨年は、7月の合計日照時間が249時間と多くありましたが、今年7月の日照時間は86時間と昨年の3分の1になりました(平年値は156時間)。
また、台風15号、19号、21号と相次いだ大型の台風により防風網や支柱の損傷に加え、新梢、葉の塩害などにより、樹については貯蔵養分の不足が心配されるため、対策が必要です。
- 今後の気象
気象庁の発表では、今期冬の気温は平年より高くなる暖冬予想です。暖冬では以下の被害が予想されます。(落葉が遅れ耐凍性が低下する。耐凍性が低い枝が厳冬期に凍害を受ける。一時的な高温で不時開花が起こって着果量が減る、休眠時間が不足することで春先の開花が不揃いになる、等)
- 今後の管理・対策
- 台風による塩害と強風により新梢・葉に損傷を受けたため、樹体の貯蔵養分が不足していると考えられます。剪定時の花芽整理を実施して、収穫しない果実を着果させない等、無駄な養分消費を抑えましょう。極早生品種では冬期の不時開花が起こりやすいため、剪定時期を遅くして花芽のある枝を残しましょう。
- 高温、低温、乾燥、大雨等、極端な気象が発生する傾向にあります。異常気象にも耐えられるよう、ほ場環境や樹を健全に保ちましょう。剪定では、主枝先を強く切り返す、適正な枝数を残して葉数を確保する等、樹勢を強く維持しましょう。
- ほ場環境の整備、土づくりを行いましょう。
○定期的に土壌分析を行い、硫黄微粉を施用する等してpH(酸性度)を適正に保ちましょう。(適正pH ハイブッシュ:4.3-4.8, ラビットアイ:4.3-5.3)
○大雨の際、ほ場に滞水しないよう排水路を掘る、夏季の高温乾燥対策にチップ、もみ殻等を株元に敷くといった準備を行いましょう。